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横浜中華街をもっと知ろう〜中国に関する豆知識〜

知識

2016.10.03

月餅を食べて中秋節をお祝いしましょう

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年間を通してさまざまなイベントが開催されている横浜中華街。その横浜中華街の秋を毎年彩るのが「中秋節」です。
今年は9月15日に開催され、中華菓子店にさまざまな月餅が並びました。中秋節の歴史、そして中秋節には欠かせない月餅についてご紹介します。

家族揃って食事をしながら祝う中秋節

中国で始まった中秋節。本来は旧暦の8月15日に行う伝統的な祝日で、新暦でいうと9月~10月頃。2016年の中秋節は、新暦の9月15日。中秋節は、中国では春節(お正月)に次ぐ重要な行事とされています。
中秋節の丸い月は団欒(だんらん)を象徴しているそうで、別名・団欒節とも呼ばれています。そのため、中秋節の日には、家族と一緒に食卓を囲むのが習わしだとか。では、中秋月はそもそもどのようにして始まったのでしょうか。
古い書物をさかのぼると、最初に「中秋」という言葉を記したのは中国の古典的な経書『周礼』でした。また、『唐書 太宗記』には、「八月十五日、中秋節なり。」との記述が残されており、唐代に入って中秋節が祝日として制定されるようになったことがわかります。
宋代には中秋節が市民に定着しはじめ、明、清になると、大変重要な祝日と位置づけられるように。こうして時代を経た現在も、中国では大切にお祝いされています。

真ん丸い月の日に焼きパン

先ほどご紹介した団欒祭のように、中秋節にはいろいろな別名があります。その中のひとつに唐代に名づけられた「真ん丸い月の日」というのがあります。
明代に残された記録によると、「真ん丸い月の日」には、「月餅に似た団欒を象徴する焼きパンを作る」風習がありました。団欒の焼きパンは、中に砂糖やゴマ、金木犀の花、野菜などを入れ、外皮には、月や桂、兎などの図案が押されているとのこと。
この焼きパンは一人で食べるのではなく、月を拝んだあとに家族の年長者が人数分に分けます。そして、みんなで食べながら家族団欒を楽しむのです。名称は違えど、中秋節に込められた思いは一緒です。

中秋節で必ず食べられる月餅

中秋節で必ず食べられるのが月餅です。月餅は丸い形で、薄い皮に具材と餡を入れ、オーブンで焼き上げた菓子。具材は蓮の実を練った物や甘い味噌と卵黄ですが、店舗によって味や大きさに違いがあります。
また、中秋節では、月餅以外にもかぼちゃ、タニシ、サツマイモ、ザボン、あひる料理などを食べる風習があります。かぼちゃは、昔、南山で貧しく暮らしていた女性が、飢えでやつれていた両親に雑草の中から見つけた瓜を煮て与えてみたところ病気が治ったという言い伝えが。瓜の発見地が南山であったことから「南瓜」と名付けられ、それ以降江南ではかぼちゃ入りのもち米ご飯を食べるようになりました。
卵を産んでいないタニシは、ちょうど食べごろを迎える時期。薬用や食用としての価値があります。サツマイモは中秋節のお供え物の一つでしたが、現代は大々的な儀式を行わなくなった代わり食べるようになりました。
また、ザボンは中秋節の必需品。お月様が守ってくださるように祈りたいという気持ちを込めてザボンを食べるそうです。ザボンの酸味は甘い月餅との相性が良いと言われ好まれています。そしてあひるは、中秋節の名物。あっさりと塩の湯で煮た塩水鴨や香ばしいローストダックなどさまざまな料理があります。

秋は中秋節グルメを楽しもう

横浜中華街では、中秋節の時期になると菓子店を中心に月餅が並びます。現代では中華街のお土産として定番になっている月餅ですが、中秋節のときにだけ各店で登場するオリジナル月餅は見逃せません。
なかでも、あひるの塩漬け卵が入ったものがオススメです。卵黄のものよりも脂肪分が多く濃厚な味わいが楽しめますよ。各店の味比べをしてみるのもいいですね。今年は買いそびれたという方は、来年こそ味わってみてください。

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