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横浜中華街をもっと知ろう〜中国に関する豆知識〜

うんちく

中華料理の高級食材、フカヒレって何のヒレ?

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横浜中華街グルメでもダントツに人気があるのが、フカヒレを使った料理です。でも、調理されたものや土産店で見かける形状からは、その正体がなんなのかちょっと不明です。
サメの背ビレや尾ビレだということは知っていても、どうしてあんなに珍重されるのか、どうやって高級な中華料理に使われるのかは知らない人が多いでしょう。
高級食材フカヒレの正体について知っておけば、フカヒレをお得に味わえる食べ放題に行ったとき、その満足度がアップするかもしれません!

姿煮とスープで違うのは部位なのか加工法なのか?

フカヒレは、サメ類のヒレに乾燥などの加工を施して作る食材の一種です。ジンベイザメ、ドチザメ、ヨシキリザメなどいろいろな種類のサメのヒレが用いられています。
「フカ」 は大型のサメに用いられる呼称で、ヒレを加工するのに小型のサメよりも大型のほうがよいとされたことから、サメヒレではなくフカヒレが一般的になったのでしょう。
サメ類には、尾、背、胸、腹にそれぞれ泳ぐためのヒレがあります。フカヒレに用いられる主な部位は、背ビレ、胸ビレ、尾ビレの3種類です。
ヒレを切り取ってそのまま乾燥させたものを原ビレ、料理に使われない皮、骨、肉などを取り除いて乾燥させたものを素ムキと呼びます。水で戻した素ムキで型崩れのないものが排翅(パイツー)で、主に姿煮の材料になります。排翅をほぐしたり、崩れて糸状になったものが散翅(サンツー)で、スープやほかの料理の具材に用いられたりします。

フカヒレが珍重されたのはなぜ?

フカヒレが食材として知られるようになったのは400年ほど前、中国の王朝が明から清へ変わるころのことでした。18世紀になると、グルメ本のはじまりといわれる『随園食単(ずいえんしょくたん)』にも紹介され、中国全土で知られる中華料理の高級食材となります。
ヒレは、乾燥させることで日持ちがよくなります。また、味がよくなることもあり、高値で取引されるようになったのが18世紀後半から19世紀になるころのこと。同じように干して食材に用いるナマコやアワビとともに中国で珍重されるようになり、近海ではまかないきれずに輸入に頼るようになりました。
その輸入先として上質な乾物を産出していたのが日本でした。当時の江戸幕府では、フカヒレ、ナマコ、アワビを「俵物三品」と称して積極的に交易に使い、これらは貨幣の代わりに決済できるほど価値のあるものと認められていました。
日本の東北地方の三陸海岸は、世界でも有数のサメ類の水揚げのある漁場として知られています。冬期には季節風の影響で冷たく乾いた風が吹くため、干物加工に適した土地柄。こうした好条件下で生産されたフカヒレが中国で流通し、その品質の高さが知れ渡るようになったのです。

高級料理を手軽に味わえる食べ放題も

フカヒレは全体がゼラチン質で覆われ、ムコ多糖類が多く含まれています。ムコ多糖類はコラーゲンの類似物質。その一種のコンドロイチン硫酸は保水性や免疫の補強に優れ、関節などの軟骨を再生する効果が知られています。こうしたことが、健康や美容に敏感な食通たちの注目を集めることで、さらに人気を高めています。
フカヒレは、それ自体には味がなく、処理を怠ると臭みが出てしまうため、時間と手間のかかる食材です。それだけに、料理人たちはフカヒレの選び方にも調理の仕方にも人一倍神経を使い、この素材を活かした最高の料理を作ろうとします。こうした時間と手間と料理人のプライドが、フカヒレを高級料理に押し上げた理由なのです。
その一方で、高級食材の代名詞となったフカヒレも、横浜中華街では手軽に食べることができる店が増えました。餃子や茶碗蒸しなどメニューを工夫して少量でも楽しめるようにしたり、中華料理の食べ放題などで食べたりできるようになっています。
日本の風土と加工技術が中華料理と合体した歴史を知ってリーズナブルに味わうことができれば、満足度もさらにアップするはずです。

参 考

  • フカヒレ物語|気仙沼市
  • フカヒレとは?|美味しいフカヒレを食卓へ
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