世界チャンピオンの本格中国料理店

横浜中華街をもっと知ろう〜中国に関する豆知識〜

知識

2016.04.01

飲茶を食べるときのお作法

01

皇朝のオーダー式バイキングのメニューにも入っている点心。中国では点心を中国茶と一緒に味わうことを、飲茶(ヤムチャ)といいます。実は飲茶を食べるときには、ちょっとしたお作法があるんです。今回は、そのお作法をご紹介します。

飲茶の歴史

そもそもの飲茶のルーツは読んで字のごとし。お茶を飲むことです。その習慣は古く、唐の時代には飲茶が楽しまれていたといわれています。
広大な国土を有する中国では、地域によって水質にも差があるため、生水よりもお茶を飲む習慣が定着したようです。おいしいお茶を飲むことで、お茶に含まれるビタミンをはじめとした健康成分が補えることから、多くの人々に受け入れられました。
そんなお茶にそえられたお茶うけ。かつては干し果物や野菜の種などが定番だったようです。それらが時代の変化と発展によって、点心を食べる今のスタイルに変わっていきました。
横浜中華街を歩いていると、いたるところで飲茶専門店を見かけます。もしも飲茶の本場である香港に行く機会があるならば、エビ餃子や、シューマイ、叉焼包(チャーシューパオ)などの点心がワゴンで運ばれてくる昔ながらの飲茶専門店を訪れたいところ。高く積まれた中華せいろの中をのぞき込み、オーダーするのも楽しいですよ。

お茶を飲む前に欠かせなかった「洗杯」

飲茶専門店では、テーブルに着くとすぐに何のお茶を飲むかと聞かれます。鉄観音茶や鳥龍茶など、お好みでチョイスしてください。代表的な中国茶には以下のようなものがあります。
▶︎龍井茶(ロンジンチャ)
緑茶の一種で生産量の多いお茶。釜炒りでつくられている。
▶︎寿眉茶(ソウメイチャ)
白茶の一種。芽吹いたばかりの白毛が残った茶葉でつくった発酵度が低いお茶。
▶︎鉄観音茶(テツカノンチャ)
発酵部分と不発酵部分が入り混じった半発酵茶の一種。ふくよかな香りをした烏龍茶の代表格。
▶︎普洱茶(プアールチャ)
完成した茶葉に微生物を与えて発酵させている。熟成した香りが特徴の黒茶の一種で、年代物は非常に高値。

お茶が運ばれてきたら、ちょっとした儀式にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
その儀式とは、自分で器を洗う「洗杯(サイプイ)」のこと。歴史ある店に行くと、どんぶりのような大きめの器を使ってカップを洗う人を見かけるかもしれません。日本人からすると器を自分で洗うなんて失礼だと思いますが、衛生状態の悪かった以前の香港では当然のことでした。現代の香港では衛生環境が改善されたので、器を洗う必要はありません。
では、一般的な洗杯の方法をご紹介しましょう。
1. 小椀にレンゲと箸を立てて入れ、箸の中間あたりから箸に沿わせるようにしてお茶を注ぎ、レンゲと箸をゆすぐ。
2. お茶の入った小椀に湯呑みを入れ、指で一周回して洗う。
3. 小椀のお茶を回して小椀自体をゆすいだら、ボウルにお茶を捨てて完了。
指で湯呑みを洗う際は、熱いお茶に直接指を入れるためやけどにご注意を!

お湯がなくなったらどうする?

日本ではおかわりしたいときは、ウエイターを呼んでその旨を伝えますが、香港では特有のサインが存在します。ポットのお湯がなくなったら、ポットのふたをずらすだけでOK。「お湯をください」という意思表示になります。
また、お礼を伝える際にもサインを利用して。指で軽く「コツコツ」とテーブルをたたけば「ありがとう」のサインです。このとき、既婚者は人差し指と中指の2本で、独身者は人差し指のみを使います。サインで意思を伝えることで、会話や食事を中断することなく、感謝の気持ちを表すことができます。

お作法で本場の気分を楽しんで

こうした所作を披露するチャンスは少ないかもしれませんが、覚えておくと会話のネタにもなり、飲茶の時間が一層楽しくなりますね。中国の文化に対する理解も深まるので、機会があれば、ぜひ試してみてください。

記事で紹介している通販商品やレストランのコース等は掲載当時の内容となります。
最新情報につきましてはオンラインストアや各グルメサイトをご参照ください。
先頭へ戻る