世界チャンピオンの本格中国料理店

横浜中華街をもっと知ろう〜中国に関する豆知識〜

文化

2015.12.01

「飲めません」は中国の宴会では失礼にあたる?

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中国グルメをお酒と一緒に楽しむなら、ぜひ中国の風習も知っておきましょう。中国では、宴会などで出された食事をゲストがすべて残さずに食べてしまうのは失礼にあたります。なぜなら、ホストに対して「あなたの出した料理が足りなかった」という意思表示になってしまうからです。日本とは異なる考え方ですよね。
また、お酒については、勧められたら断らないのが原則です。しかし、勧められるままに飲みつぶれてしまったら、さらに失礼な事態になりかねません。失礼のない酒席マナーをチェックしておきましょう。

ホストのメンツをつぶさない5つの酒飲みマナー

実は中国は、日本よりも客人に対する「おもてなし」の意識が強いかもしれません。その理由の一つとして、中国人ホストはたくさんの食事やお酒を提供することで、おもてなしの意思表示をしようとします。つまり、ゲストがより多く食べ、より多く飲めば、それだけホストの労が報われ、客人も喜ぶという最高のおもてなしになるのだそうです。
そんなふうにして食事を通じて全身全霊のおもてなしをしているホスト側は、宴会などでゲストにお酒を飲むことを断られると、メンツをつぶされたと感じてしまうわけです。
こうした風潮がいまも色濃く残る中国。人に酒を勧めるときは、次のような言葉があることを覚えておくといいでしょう。

文敬

道徳的規範にのっとり、礼節をもって客人に対して酒を勧めること。

回敬

ゲストに対してホストが酒を勧めること。

互敬

ゲスト同士が互いに酒を勧め合うこと。

代飲

ゲストが酒の飲めない人、あるいは飲みすぎている場合に、ホストが勧める酒を他の人が変わって飲むこと。これにより、ゲストはホストの敬意を受け入れたと見なされます。

罰酒

中国独特の酒の勧め方で、余興的な意味合いも含みます。遅刻した罰として3杯をまず飲み干す罰酒は、日本でも「駆けつけ3杯」として伝えられていますが、中国の宴会ではゲストのもてなしとされます。
一般的な中国の宴会では、ホストが挨拶をした後にお酒による最初のおもてなしが始まります。最初にホストが立ち上がり、自分の杯の酒を一気に飲み干します。飲み干した杯はひっくり返し、空になっていることを示すことで、ゲストへの歓迎の意を表します。
続いて、酒を注がれたゲストは、ホストと同様に注がれた杯を飲み干さなければなりません。ホストと同じ行動をとることで、感謝の意を表すことになるのです。このようにして宴会が進行し、ホストはゲストの席を回って酒を勧め、飲み干した分だけ親密な関係になっていくのが中国流の酒席なのです。

飲めないときの飲んだふりテクニック

飲めば飲むほど親密な関係を築くことができるのが、中国での宴会の常識。飲める人にとっては人脈を広げるチャンスになりますが、お酒が飲めない人にとっては試練の場です。「代飲」という形で切り抜ける方法もありますが、他人頼みがいつも通用するとはかぎりません。
そこで、中国でも話題になっている「飲んだふり」のテクニックをいくつか伝授しておきましょう。
まずは、酒を口に入れても飲み込まず、ナプキンやハンカチを使って口を隠しながらそこへはき出すという方法。また、チェイサー代わりにと、お茶の入った茶碗を口元に寄せて、そこへ酒を吐き出す緊急避難的方法も覚えておくと便利でしょう。
また、次から次へと話題を提供して会話を途切れなくさせることで、酒を注ごうとする相手の注意をそらすという方法も、話し好きの中国人に対しては有効だとか。これは、会話が盛り上がることによって「酒を飲むよりもあなたと話をしているほうが楽しい」という印象を与えるので、酒を多く飲むよりも評価されるそうです。
最近では、中国でも、飲酒運転の取り締まり強化や旧来の華美な宴会の作法を改めようという気風が強くなり、酒を断ることに理解を示す人が増えたようです。いずれにしても、相手に失礼がないように、自然な立ち振る舞いであることが重要です。

自分に合った飲み方で中国文化への理解を深める

中国ではお酒を飲むことがホストのもてなしに応える礼儀。すぐに断らず、自分に合った飲み方を探してお付き合いしたいものです。また、中国では日本のように酒席を「無礼講
と考えません。酒席で打ち解けたら、翌日は旧知の仲のように、より親密な付き合いになるのが一般的。中国関係者との付き合いも深まれば、さらに中国酒の楽しみ方も広がるはずです。

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